東大現代文2006年第4問 問1
更新日:7 日前
問1「それが大人の権威を支える現実的根拠であった」(傍線部ア)とあるが、それはなぜか、説明せよ。
(※本文は自分で用意してください)
この問題、近代以降の教師との対比を意識すると見えてくる問題なのかもしれません。詳しくはのちに説明するとして、まずは傍線部の分析をしましょう。
「それ」はとは何か?
イコール関係で見るとわかりやすい。
「それ」=「大人の権威を支える現実的根拠」。
かなり端的にすると、
「それ」=「根拠」。
となると、前文の「そこには、同じ仕事を共有する先達と後輩の関係が成り立つ基盤がある。」が該当するであろう。「基盤」と「根拠」は似た意味であるため。
「そこには」とは何を指しているかを判断する。
当然、前文になるであろう。すると、
「そこ」=「産業革命以前の大部分の子どもは、〜(中略)〜大人の仕事の後継者として、その仕事を見習いながら、一人前の大人となった。」
1と2を合わせて、端的にすると、
”「産業革命以前の子どもは仕事の後継者として見習いをすることが、先輩後輩の関係が成り立つベース」ということが、大人の権威を支える現実的根拠であった。”
となる。
大人の権威とは何か?
「大人の権威」とは、大人が優れていて格上であることである。そのことを言い表しているのが「先達」である。
さて、ここまでを踏まえて、いったいなぜ”「産業革命以前の子どもは仕事の後継者として見習いをすることが、先輩後輩の関係が成り立つベース」ということが、大人の権威を支える現実的根拠であった。”と言えるのか?を考える
ここで役に立つのが対比である。以下にまとめた図を掲載する。

対比を使うとわかりやすい。職業共有の有無で子どもが大人・教師に対してどういう目線でいるかが変わってくる。職業の共有がないと、子どもは大人を見習う対象として認識しないため。つまり、先達として認識しない。逆を取れば、職業共有があれば、子どもは大人を見習う対象として認識する(でないと自分の仕事が進まない)。つまり、先達として認識する。
となると、職業共有があれば、子どもは見習いとして大人を見習う対象とするために、大人を先達として認識する。それが理由で先達・後輩の関係が成り立ってくる。大人は権威を持つことができるリアルな理由となる。
結論:産業革命以前の子どもたちは、見習いとして大人と職業共有しており、大人を見習う先達と認識するために、大人は権威を持てるから。(61字)